カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第294回

清ちゃんのつぶやき(その237)本(その4)



 季刊誌シクロツーリストが半月程前に出た。噂ではあまり出回らないので入手困難と云うことだったが、嘉島のツタヤに行くとなんと3冊も並んでいた。今回の特集は“ブルベ”、シクロツーリストと言えば旅行車じゃないの?ランドナーとかスポルティーフ、それに峠じゃないの?と思っておられる方々もいるのではないかと思う。しかしランドナーと云う言葉もスポルティーフの発達も皆、このブルベによって進化してきた。



 誰しも自分はどのくらい走れるのだろうか?といった疑問を持つと思う。初心者でも昨日50km走ったが、まだ余裕があった。次は先を目指して70km走ってみようかと考える。それなりにベテランになってくるとロードバイクならば200kmくらいは走れるようになる。そこら辺りを何度か彷徨うと、さて自分は・・・と考えるようになる。もちろん自分だけでその先にチャレンジする人も多い。気の合った人達と一緒に走るとさらに遠くまで行く事も可能である。



 それでも300km、400kmと距離が延びてくると、一人だと、走れそうでもなかなか決心がつかない事も多く、準備やら構想で実行までに時間がかかる場合もある。そんな時、何かイベントでもあればそれに便乗して走る機会を得る口実ができる。さらにブルベだと認定証がもらえるので、「俺は昨日300km走ったぞぉ」と言っても周りの誰も信用しないといった事はない(笑)。



 普通に200kmくらいだと日帰りで、朝走り始め、夕方には到着する。人によっては300kmくらいでも可能である。私も350kmくらいだと早朝から夕暮れまでで走破できていた。ただ、400kmだと装備が要る。ブルベだと300kmくらいでも、昼スタートの場合も多く、夜も走る。そのためライトやテールランプ、寒くなった時(夏でも夜の山中では寒い時がある)のジャケット、さらに雨だから中止という事もない。その為のレインウェア等も必要になってくる。また、コンビニもない山の中だとそれなりの補給食、それらを収納するバッグ類、それにコースを把握するためのキューシートやマップケース、いろいろの装備が要る。



 それらがすごい。人によっていろいろ工夫してある。要は“時間制限のある長距離ツーリング”なのである。同じ距離を走るのだが、人によって脚質や装備に対しての考え方の違いから荷物の多い少ないもある。またそれらの分散の仕方がある。ツーリングをやる人には参考になるかもしれない。昔のフランス本国では早く、快適に、長距離を走るといった目的でスポルティーフが発展してきた。ライトを装備し、マップケースの付いたフロントバッグを付け、細めのタイヤで走る、悪天候の場合に備えマッドガードを付けた軽量な自転車ができてきたわけである。



 今のブルベ、自転車本体をみても面白い。所謂、これがブルベ用の自転車というのがない。主にロードバイクが基本になってはいるが小径車があったり、リカンベントがあったりする。それでも同じロードバイクでもクロモリあり、アルミあり、カーボンありである。部品や装備も人によって違う。フランスでスポルティーフが発展してきたように、現代版スポルティーフがそのうちに出てくるような気もする。



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