カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第64回

清ちゃんのつぶやき(その52)初心者(ドロップハンドル)



 2007年ももう終わりに近づこうとしている。寒いこの時期に走っている人を見ると、本当に自転車が好きなのだなぁと思う。今年の熊本は珍しく寒さが和らぐような日が多い。知らない人から見ると、九州は暖かくていいですね等と言われる。とんでもない、鹿児島、宮崎は別にして、寒い時には寒い。特に熊本は夏に暑く、冬は寒い。まだ雪が積もらないだけ、ましかもしれない。



 さて、前回の続き、細いタイヤと共に、初心者がロードレーサーに対し、抵抗感を持つのがドロップハンドルではなかろうか?昔々、各地の学校でドロップハンドル禁止令が出され、通学車にドロップハンドルの自転車がなくなってしまった。それ以来、ドロップハンドルで育った世代が少なくなった。それが今に続いている。禁止の理由は前が見にくいとか、背骨が曲がってしまうという偏見を無知な教育者が持ったためだった。実際は高額になる通学車を抑制するためだったのかもしれない(実際、変速は6段までとかの規制も一部にあった)が、これによって一般にはなじみのないハンドルになってしまった。



 自転車のレースが始まった当時、もう100年以上にもなるが、ハンドルはフラットだった。それが速く走ろうと前傾姿勢をとるために握り部が下方になった。フラットハンドルを逆さにしたようなものである。それがだんだんと変化していき今の形になった。速く楽に乗るために生まれたハンドル、それがドロップハンドルである。



 ドロップハンドルには握る部分が四カ所ほどある。手前のストレートな部分、ブレーキレバーの手前の曲がった部分、ブレーキレバー、それにレバーの下方部分である。エンド部も疲れている時には手を休める部分として使う事もある。走行に応じて握る部分を変える事によって上体姿勢を変えることができるようになっている。これがドロップハンドルの最大の特徴である。



 MTBや一般の自転車で少し長い時間乗っていると疲れがでてくるといった経験を持っている人も多いのではないかと思う。上体姿勢の変化が少なく、リラックスしている時も上りのハードな場面でも握り部が一緒というのは疲れる。MTBだとエンドバーを付けてそれを補っている人もいる。ドロップハンドルにも深さの浅いものや深いものがある。初心者は浅めのものの方が使いやすい。もちろん体型によって違うのだが、大きな姿勢の変化はある程度、力をつけてからでも遅くないし、後からハンドルは変えることができる。



 ドロップハンドルにはアナトミック型とラウンド型とある。それぞれ特徴もあるが、好みの問題であって、そう気にする必要はない。先ずはドロップハンドルを使ってみることである。そうすれば、その良さが体を通じて理解できると思う。それではよいお年を!

第65回へ続く...

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