カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第47回

清ちゃんのつぶやき(その38)ツール



 面白くないツールが続いている。昨年もツールが終わってしまってから優勝者が失格と云う、とんでもない事が起こった。繰り上がって、それも数日してから、「あんたが優勝」なんて言われたペレイロも素直に喜べなかったのではなかろうか?やはり、当日、シャンデリゼのポディウムの頂上に立って、観客から拍手や歓声をあびた方が誰だって嬉しいはずである。



 自転車にはドーピングがつきものである。さすがに日本ではあまり聞かれないが、ヨーロッパのスポーツ紙には自転車の他、サッカーや陸上の選手のドーピング記事がよく載っている。近年、ますます方法や薬品が複雑化している事もあり、検査側と選手側のいたちごっこが続いている。



 今年もドーピング疑惑が最終日前日に起こった。見ている側からすると本当に面白くない。勝ちたい気持ちは分かるし、自転車競技はきついスポーツというのも理解できる、3つもの峠を含んだ250キロのコースを6時間以上かけて走る、次の日は休みでもない、疲れもたまる。薬等に頼る気持ちも分からない訳ではない。昨日、峠を制した選手が次の日も逃げをうつ、タフだなあと感心する。しかし、それがドーピングによるものであるなら興醒めしてしまう。



 超人的な選手が一人だけだと、見る側にとってはしらけたものになってしまう。自動車レースだとレギュレーションが変わったりして、観客や視聴者を飽きさせない工夫をしている。自転車レースだとそれは難しい。インデックス変速が禁止だとか、カーボンフレームはダメだと今更、言われても結果は変わらないはずである。実際、自転車の最低重量やファニーバイク禁止令が出た時も大きく変わらなかった。



 ツールの主催者が今後、どういった動きをしていくのかが興味のあるところである。ドーピングだけでなく、スキャンダルが多すぎる。面白くないレースであればスポンサーはつかなくなる。そうすればレースそのものの運営もできなくなる。ジロやヴェルタも影響を受ける。世界最高峰のステージレースが選手、観客共に楽しめる日が来なければいけない。東洋の片隅から見守るしかないのが情けない。

第48回へ続く...

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