カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第343回

清ちゃんのつぶやき(その286) 丸石の自転車



 今、一台の自転車を預かっている。春需の最中に預かったもので、落ち着いてからでいいと云う事で、4月中旬になってから作業を始めた。自転車は丸石のもの、かれこれ30年以上経っている代物である。丸石の自転車とだけしか分からない。バルボアとかエンペラーといった名称のマークがない。剥がしてあるのか、最初からなかったのかは不明である。ただ、時代は最初からの装備品、各部のグレード等から考えると、BSロードマンが台頭してそれの対向策としてのものかと思われる。






 当初、持ち込まれた時、単純にハンドル等を見て25年程前のものだと思った。実際、ステム等は83年製造の表記がある。ところが預かってよくよく見ると、ハンドルセット、チェンホィル、後ブレーキ、それにスタンドが交換されている事に気がついた。スタンドにはブリヂストンのロゴ、つまり83年以降にBSを取扱っている店で大掛かりな部品交換をしていると推測できる。



 車体には製造番号が刻ってあるが、何かちょっと違う。車体番号というのは製造会社、製造年月、それに複数の工場を持っている会社の場合、製造工場まで判るようになっている。元丸石に勤務(それも設計部)されていた方々がやっている会社に、その前の週、納品があったので、その御礼を兼ねてファックスで問うてみた。アルファベット二文字が前に来るとの事だったが、一桁。結局、分からなかったが、どうも1975年製のようである。



 とにかく、一度全部部品を外す。驚く事にBB内部などは超キレイである。タイヤは腐って使いものにならないが、ハブ内部などもグリスが汚れていないし、ガタもない。サビは出ているものの簡単に終わらせるものと思いながら作業を進めていった。ところが、全部ばらした後になって、とんでもない事に気がついた。実はタイヤがないのである(!!)。



 リムサイズは26x1−1/4、知っている人も少なくなった。今では街乗り用自転車は26x1−3/8がスタンダードになっていて、他には26サイズと言えばMTB系の26x1.5と云ったような小数点表示のものである。そんなものがなかった時代、標準は26x1−3/8、太めのタイヤでは26x1−1/2(650B)、それに軽快に走るために少し細めの26x1−1/4があった。これがくせもので、27x1−1/4は今でもタイヤの入手が可能であるが、当時も26x1−1/4は少数だったせいもあってか、問屋のカタログにも載っていない。



 旧車にも詳しい知人やインターネット等、調べてみるがない。ない事はないようだが、かなり難しい。リム径でたったの8ミリなのだが、今のタイヤは入らない。オーナーに話してリムを26x1−3/8に組みかえる結果となった。現在、スポークを注文中で、届き次第組みかえて渡せるようにしている。それにしても今時、こんなリムサイズにお目にかかるとは思ってもいなかった。それにスポーツ車に使える26x1−3/8タイヤもいつの間にか、なくなってしまっている。何か少し悲しいものがある。



第344回へ続く...

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