カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第334回

清ちゃんのつぶやき(その277)連泊



 先週、高校の卒業式があった。今週は公立高校の入試、来週には中学の卒業式と合格発表があり、本格的な春需の口火がきられる。そんな中、朝の通勤路でツーリングの一行を見かけた。大学生と思われる。そう、もう春休みなのだ・・・。



 毎日、違った景色を見、知らない街を訪れるのは楽しい。長い坂を登りつめた頂上での思わぬ絶景、トンネルを抜けると雪国ではなく、眼下に青い海が広がる、そんなものを求めながら毎日走る。そんな楽しい旅だが、時には連泊したくなるような時がある。走らないと何かもったいないような日もあるが、昔は半月に一度くらいは連泊していた。連泊する理由はいくつかある。雨が続くような時、素晴らしい街で、もっといろんな所を見てみたい時、それに毎日の走りに少し疲れを感じた時などである。



 休養を兼ねて連泊する場合、二通りある。一つは旅館等の宿泊施設に泊まる事、もう一つはテントを張ってのキャンプである。それぞれに長短所がある。宿泊施設では朝食が用意されていて、温泉地などの場合は朝風呂をゆっくり堪能できる。ただ、ある程度は決まった時間に起床しなければならない。キャンプではその逆で、好きなだけ眠れるが朝食は自炊しなければならない。自分自身、両者を交互にやっていた。その後に共通してよくやっていたのは自転車の掃除や点検、長い旅だと思わぬ部分のネジが緩んでいたり、消耗していたりする。これでトラブルが起きるのを未然に防ぐ事ができる。それに自転車を綺麗にするだけでも、気分がよくなり、それから先の旅を快適に続けることができる。



 洗濯なども、一晩で乾く時期、下着くらいは一日おきにはするものの、ジャケットなどの上着等は連泊時にやっていた。昔はよくユースホステルで洗濯機を使わせてもらっていた。場所によっては有料だったが、ありがたかった。今はコインランドリーがあるし、乾燥もできるので、あえて連泊時にやらなくてもいい。便利になったものである。そう言えば、昔は泊まる所もユースホステルや安旅館ばかりだった。



 それにテントを干したりもしていた。雨が降らない日でも夜露は降りる、朝からのテント撤収時には濡れている事も多い。完全に乾くまで待っていたりすると時間がかかり、出発も遅れる。そのため、テントを張る時も東屋等があれば、そこに張っていた。まだよく乾燥しないまま収納するとカビ臭くなってくる。時々は乾燥させなければならない。そうそう、そろそろ新しくテントも購入しなければならないが、かなり迷っている。ただ単に眠るだけなら軽量・小型のものもあるし、ビバーク用のツェルトでもいい。ただ、連泊でゆっくりしたい時、ある程度の居住性も要る。もう少し迷いそうである。



 毎日、毎日を目一杯走るのではなく、時々、連泊を組み合わせることで長い旅を続ける事ができる。逆に長い旅を続けるのであれば、連泊するような精神的な余裕が必要となってくるのである。ただ通過するだけでなく、連泊することによって見えてくる知らない土地の思わぬ特性、習慣があるかもしれない。それに一点を基地として、その周辺を回る事もできる。次回、いつ訪れるか分からない、ひょっとしたらもう二度と訪れないかもしれない、そんな所を味わうためにも連泊は必要になってくる。旅を終えてから、あそこはもう少し味わっていたかったなぁ等と後悔するような事がある。その後、そこにもう一度行ったかといえば行っていない。そんな後悔をしない旅をやってみたいと思うのである。



第335回へ続く...

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