カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第325回

清ちゃんのつぶやき(その268)ラージフランジ・ハブ



 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。



 今年も年末年始、熊本の方では天候が悪く、初日の出ランに出かけた人も御来光を拝めなかった。ほとんどのサイクリストは冬休みだろうか?それでも元気に走っている人達も多い。今月、熊本ではブルベが開催される。その準備に追われている人達もいる。先ずは寒さ対策、雪の積もった五木や阿蘇は避けてあるものの、結構山坂が組み込まれている。乾燥した冷たい空気には注意してトレーニングをしてほしいものである。



 さて、前回、リムについて書いたが、キャンピング車の車輪が年末、何とか形になった。組みあがったものを改めて見ると、車輪そのものの美しさを感じる。ハブはフロントがシマノ、リヤはマイヨールとメーカーは違うものの、同じラージフランジである。今はほとんどスモールフランジになってしまっているが、昔はハブメーカーであれば、高級品には両方共必ず用意されていた。もちろん、ラージフランジの方が少し高価に設定されていた。



 今はスモールフランジ一辺倒で、ラージフランジの車輪を見る機会も少ないと思う。私の世代が自転車に目覚めた頃はツーリング車、ロードレーサーに限らずラージフランジのハブを使ったものが高級車の象徴みたいになっていた。ある意味、憧れでもあった。今のようにスモールフランジ一辺倒になってしまったのは、60、70年代に活躍した名選手、エディ・メルクスの影響がある。今の人には単なる自転車のブランド名にしか思えないだろうが、自転車には多大なる影響を与えた。



 一番の目に見える特徴は軽量化である。チェンリングなどに穴をあけたり、シートピラーに溝を彫ったり、各所に少しでも軽くする工夫がされた。そのエディ・メルクスが選択したのがスモールフランジのハブだった。その後、ロードレースの世界では極一部を除けばスモールフランジ一辺倒になってしまい、現在に至っている。確かに重量面では有利である。



 それまでラージフランジで組んだ車輪の方が強く、スモールフランジの方はそれより劣るなどと言われてきたが、実際のレースではそうたいした事ではない事が証明されたのである。もちろん、使用するリムやスポークによって車輪の強度や性質は変わってくるので一概にどうと言えるものではない。ただ、競輪などのピスト競技には今でもラージフランジのハブが使われている事は事実で、バンクを利用した横剛性が必要な競技に於いてはラージフランジの方が有利にはたらく事も確かである。



 ラージフランジの場合、スポークの交点の位置がリム側に寄って横からの力を受ける場合には有利にはたらく、逆にスポーク長さはスモールフランジに比べれば短くなり、クッション性はスポイルされる。しかし、これも使うリムやスポークの材質や太さ、張り方に影響されるので何とも言えない。車輪に関しては書きたい事もたくさんある。後日、改めて書いてみたい。それにしてもラージフランジ・ハブの美しさに改めて感動した年明けであった。



第326回へ続く...

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