カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第324回

清ちゃんのつぶやき(その267)リム



 この半月、何か車輪関係の仕事が多かった。車輪組みがいくつかあり、リム調整やらスポーク交換、スポーツ車から通学車まで様々である。ところが、数日前に少しショックな事があった。そんなに大したことではないのだが、前に書いたキャンピング車の車輪である。ハブはそのまま使い、リムとスポークを新しいものにして年内に組もうと考えていた。幸いハブは少し磨いただけで光沢を取り戻した。リムは高価なものにせず、一般車に使われているアルミリムにしようと思っていた。これからがんがん走るわけでもないし、価格も抑えられる。



 ところが、組もうとするとないのである。カガワの部品倉庫にあると思っていたが、在庫しているものは真ん中が凸のもので、フラットのものがない。問屋さんのカタログをいくつか見てもフラットのものがない。えっ!?と思い、店に展示している自転車を見ても、廉価車でさえ凸のリムを使ってある。別に凸のリムでも構わないのだが、スポークはフラットリムで計算して用意していた。第一、ツーリング車とイメージしている車輪にならない。



 ショックだったのは徐々に一般車用のフラットアルミリムが消えていった事に全く気がつかなかった自分に対してである。すでに昨年の問屋カタログからも消えていた。昔、フリーホィルがなくなっていっている事に気が付いて、見つけたら買っておくというような事をした。別にフリーホィルだけでなく、いろいろの部品が消えていった時期がある。MTBが普及してきた頃である。逆に言えば新しい規格の部品がぞくぞく出てきた頃でもある。当時、いつでもあると考えていた事が間違いだったと反省した記憶がある。確かに大金をはたけば手に入れることはできた。



 良い例がホリゾンタルのクロモリフレームである。オーダーと云う手を使えば当時でも入手できたが、いつの間にかメーカーのカタログから消えていった。クロモリでもいつしかスローピングになっていた。需要と供給の問題だっただろうが、強度や材質の変化もあった事は事実である。おかげで強くて軽いフレームは手に入れるようになった。



 それにしても今、少しクラシックな自転車を組むには当時に比べると良い時期になった。5段フリーホィルだって1000円くらいで手に入る(もちろん、それなりで歯数も決まっているが)ようになったし、他の部品も少しずつ揃ってきている。



 今、先のキャンピング車とは別に今の部品を使用してのクラシックなロードを作っている。こちらは年内にと思っていたが、ちょっとした部品の遅れで、完成は年明けになりそうである。出来上がったら紹介したい。



 おかげさまで2012年も残りわずか、今年もいろいろありました。玉名店は本当にいいお客さんに恵まれていると実感できる年でした。来年もよろしくお願い致します。それではよいお年をお迎え下さい。



第325回へ続く...

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