カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第301回

清ちゃんのつぶやき(その244)チェン長さ



 九州も長かった梅雨をやっと抜けだしそうである。今回の豪雨、いろんな人から心配してのメールやら電話を頂いた。幸い、私個人も会社そのものも大丈夫だったが、親族で被害に遭った社員も数名いる。とにかく長く感じた梅雨だった。休みと云うのに自転車にも乗れず、悶々とした休日を過ごした人も多かった。



 梅雨の最中の今月初め、ブルベが開催されるはずだった。だったと云うのは来月に延期になったからである。予定のコースの一部が(五木方面)土砂崩れのため走行ができなくなってしまったせいである。梅雨の時期、それも予定が夜、昼間だって登りと細く曲がりくねった道で(もちろん一部は路面も悪い)苦労する道を夜間走行である。街灯もない真っ暗な山道、そんな所を走ろうものなら猪やら、狸やキツネ、下手をすると平家の落人の霊でも出てくるのではないか、そんな話を先月末、参加予定のHさんやTさんとしていた。 


スプロケ
 そのTさんだが、600km走破する前にと自転車を点検に出された。ホィールの調整や各部のネジ締め付けチェック(クルマ関係の仕事なので、流石にきちんと締まっている)等をやった。梅雨時期で来店が少なく、集中してやる事ができた。実は今回、五木をはじめ竹田や山都町の山岳地帯を走るという事でリヤスプロケットを変更してあった。前回400km時に終盤疲れが足にくるという事で、所謂ジュニアスプロケット(14−25T)になっていた。今回、それを更にロー側3枚を変更し28Tにしてあった。フロント(50x34T)は変更なしである。


アウター × ロー
 ここで問題になるのがチェンの長さ、フロントがアウターでリヤがローの組み合わせだとこれまでのチェン長さだとディレーラーが引っ張られてしまう。アウターxローになる前にフロントをインナーに落としてしまうという使い方をすればよい。ところが話をしているとインナーxトップよりアウターxローの方が精神的に使ってしまう等の話で、そちらを重視する事になった。



 今回の場合、トップ14Tは変わっていない、当然、チェンの長さは基本的に変える必要はない。ところがローに入れると先に書いたようにディレーラーが引っ張られる。ここで1コマ追加する。引っ張られていても変速はするようにできてはいる。ただ、ディレーラーにあまりにもテンションがかかってしまうと変速性能は低下する。トップに入れた時に弛み過ぎないのであれば1コマ長くしておく方が変速性能やチェン、それにスプロケットへの負担も少なくて済む。たった1コマかもしれないが、これが大切なのである。



 今回、50T+14=64T、34T+28T=62Tで、その差2Tある。ディレーラーのキャパシティや最大歯数の問題も出るが、この数値を同じにするとチェン長さの問題はなくなってくる。つまり、リヤを30Tにすれば、そして、それにチェン長さを合わせていけばトラブルも少なくなる。外装変速の場合、チェンをねじって使う、そんな時、チェンの負担を少しでも軽くするためのプラス1コマである。600kmゴールを目前にしてチェンが切れる、そんな悲しい出来事が起こらないようにするための処置である。歯数を変えたいと考えている人には参考になると思う。



第302回へ続く...

目次

清ちゃんへのお便りをお待ちいたしております。