カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第270回

清ちゃんのつぶやき(その219)豊後街道(神堤−今市)



 年内に豊後街道を走破してみたい、数週間前にそう思った。ところが季節は12月、11月末日から1週間経ったら気温が10度も下がって平年並みになってしまった。年末にとも考えたが、今年の新年、雪が降って高速道路が止まるような悪天候だった事を思い出した。これは休みの日、天候が良い時に少しずつ走破していくしかない。前回、笹倉から神堤の時は石畳道やアップダウンが多く、押しや担ぎもやった。長めのコーヒータイムもあったし、一ヶ所であれこれ思いに耽るということをしていたためもあってか、平均速度がなんと時速4キロ!半日以上かけても思うように進んでいかない結果だった。





説明板
 そんな事を考えて、少しでも距離を稼ごうと思い、出かけた。前回泊まった長湯温泉に車を停め、そこから自転車で走る。神堤から412号線を走る。例の如く、アップダウンを繰り返しながら走る。高原の風景が途中に広がるものの、ここら辺りは前回の細い道と違ってクルマの往来もあり、街道跡の史跡もなく、あまり楽しめない。それでも今市の表示が出てからは少しペースがあがる。ただ、空気が乾燥しているためか速度を上げると咳き込む。冬の走行は要注意である。


案内板


あと八里
 道路の左に今市石畳の新しい案内板がある。入るとすぐに足が止まった。すばらしい光景である。昔の宿場町の雰囲気が残っている。写真では何度も見ていたが、現物の方がはるかにすばらしい!石畳の両側は舗装されているが、一直線にのびる道、途中に先が見渡せなくするために設けられた「信玄曲がり」と呼ばれる直角の曲がり角(熊本城やその近郊によく見られる道の作り方である)、さらに家々や空き地にある表示板や案内板、昔話も書いてあったりする。大分県もなかなかやるじゃないか(大分の方、これ読んでいたらすみません)と感じた。あまりのすばらしさに自転車には乗らずに押して歩いた。


信玄曲がり


今市石畳
 元の代官所跡や庄屋跡、さらには豆腐屋跡や蒟蒻屋跡、酒屋や御菓子屋跡など左右に表示してある。この宿場、2往復もしてしまった。竜馬も勝海舟もどこかで休憩したのではないか、肥後の参勤交代の際は豊後・岡藩がここで蕎麦の接待をしたという、そんな光景をあれこれ想像するだけで楽しくなってくるし、この石畳道はその雰囲気を漂わせている。家の新築工事もやっていたが、住んでいる人には悪いが今風な家を建てないでほしいと思う。せめて外観だけでも昔風にしてもらえればもっと往時を偲ぶことができる。うまくすれば映画のロケにも使える。県の観光協会や教育委員会などと協力してやれば県の財源にも貢献できるのではないか、そんな事を思った。


国道からの入口


ここから瀬戸内海を渡ります。
 今回、たったこれだけである。ほんの20キロ程、次は野津原の宿を通り、鶴崎に向かいたい。今年もあと半月足らずになってしまった。とにかく、年内走破が今年の目標である。鶴崎まであと八里!もうすぐだ、行くぞぉ!



第271回へ続く...

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