カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第266回

清ちゃんのつぶやき(その215)豊後街道(笹倉−神堤)その1



 夏前に行った久住から坂梨までの続きである。この時は白丹からの道を間違えた。その後、どこからどう間違ったのか等、いろいろ調べ、頭の中にルートを叩きこんだ。今回は前回のリベンジ、ヘキ谷からの再スタートである。


1 ヘキ谷
 前回はルート案内のない大分県側からの出発だった。今回は熊本県側からなので心配はない。それにしても熊本県は素晴らしい。大分県になると、ポイント、ポイントでは説明板はあるものの、そこに至るまでの案内板がない。その点、熊本県側は主だった所には豊後街道と刻んだ石柱、迷いかけた時にある青色の案内板、エンジ色の説明板があったりする。


2 ヘキ谷


3 ヘキ谷過ぎの水恩碑
 また、熊本県側では大分県側よりも道が荒廃していないのも特筆すべき事である。県外からの人には親切だと思う。通る人もそんなに多くないであろう道に税金を使っているのは許せる。県知事もくまモンも偉い!朝夕寒くなった、この時期、スタートを少し遅らせても大分までは下りが多い。70km程、一日で行けるだろうと考えた自分が甘かった。57号線だったら行けるのだが、昔の道はそんなに単純なものではなかった。





5 大利石畳
 前置きが長くなったが、道の駅「なみの」にクルマを停め、自転車で笹倉方面に向かう。この先、店がない事は承知していたので道の駅で食糧等を少し買っておいた。ヘキ谷までは前回走っている。今回はここからが再出発。途中、豊後街道の青色表示がある。少し行くと水恩碑の横に再び案内板、道はダートに変わるが走りやすい。軽トラが一台走れるような道を進んでいく。大利の石畳と云うのが残っている。これがすごい。歩いて行くにはいいのかもしれないが、とてもじゃないが自転車で走れるものではない。幅は広いが、苔が生え、更に通りにくくしている。思ったよりも長い道だった。






 下りきった所で舗装路に突き当たるが、更にすぐ横から未舗装路の道が山に向かって伸びている。その道を進むものの、先ほどの石畳より凸凹がひどく、幅も狭い。自転車がお荷物になってしまう。押して上がれるものではなく、担いで上がる。この歳になって担ぎをするなんて思いもしなかった。それでも担がねば先に進めない。石畳が終わった時はほっとした。それにしても何百年も前の石畳がこうして残っている事は素晴らしい。



 狭い道をアップダウンしながら進む。その内に肥後と豊後の境のすぐ手前の分岐点に着いた。ここでコーヒータイム。石畳で汗をかいていたので上着を脱ぎ涼むが、すぐに寒さを感じるようになる。山の中で一人、昔の人の苦労を偲んでみた。その頃には旅人用の茶屋か何かあったのかもしれない。時計を見るとここまでに思った以上の時間を費やしている。走り始めるものの、国境を示す表示があるはずだが見当たらない。見過ごしたのかどうか、三本松の集落に辿りついてしまった。


9 堀切道
 その後、いくつかの分岐があるのだが、この頃になると何となく道が分かってくる。加藤清正は掘り切り道が好きだったらしく、これまで何度となくそのような道を通ってきた。敵が通っても道の両側から攻めやすいからである。走っていると判るが、背丈よりも高い所からだと見えにくい。よく考えているなあと感じた。



第267回へ続く...

目次

清ちゃんへのお便りをお待ちいたしております。