カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第259回

清ちゃんのつぶやき(その208)取扱説明書



 今はどんな製品にも必ずと言っていいほど取扱説明書が付いている。法律によって定められているから当たり前なのだが、自転車だって例外ではない。完成車は言うに及ばず、部品や用品にまで付いている。一台の自転車を買い、部品等を一緒に購入するとスポーツ車の場合(メーカーによって違いはあるが)、かなりの量になることもある。



 この取扱説明書だが、皆さん、全部ご覧になっているだろうか?初歩的な事柄ばかりで面白くないという方もおられるだろうが、意外とそうでもない事も載っていたりする。メーカーによっては微に入り、細に入り記載されているものもあれば、ポイントだけを記載しているものもある。海外ブランドものだと数ヶ国語で書いてあって本みたいになっているものだってある。



 ただ、これらの取扱説明書、時折読むと本当にいい事が書いてある。前回述べたフロントとリヤのチェンのクロスがけはしないようにとか、ディレーラーやブレーキの調整とかのメカニズムは言うに及ばず、メーカーによっては交通ルール(交差点の通行の仕方等)やヘルメットを被るだけでなく、手袋も安全のためにした方がいいとかの用品、装備に至るまで細かく書いてあるものもある。ベテランの方も時には目を通して見ても損はしない。初心に戻れるかもしれない。



 ところで、何のために取扱説明書が付属しているのか?一つには販売時に全てを説明できないからである。言わば販売店の店員の代わりとでも言っていいと思う。スポーツ車の販売の場合、購入者が初心者の時は変速の仕方や空気の入れ方、時にはペダルの踏み方から教えなければならないl。ところが10の事項伝えても、その場ではうんうんと納得されているが、実際には2くらいしか頭に入っていない事も多い。半分覚えてもらえればいい方である。



 新車を目の前にして、当人は興奮されているのだろうと思う。早く乗ってみたい、知人に見せびらかしたい、そんな思いで一杯の時に我々の言っている事は耳に入っていない。そうして数週間過ぎた頃、どうやって空気を入れるんだっけ?と電話が入る。ところが対面であれば現物を触りながら簡単に説明できるが、電話で説明と云うのは意外と難しく、時間がかかったりする。このブログを読んでいる方々には笑い話に聞こえるだろうが、実際によくある事である。



 万事が万事、このような有様である。何か起こっても欠陥ではないのか?などと言われたりする事もある。使い方の説明をしたと言っても、そんな事は聞いてないなどと言われる人もいる。人によっては直接メーカーに電話したりといった場合もある。そのため我々は自転車引き渡し時には必ず取扱説明書を読んでくれるよう伝えている。このような事は特に一般自転車の場合が多い。



 携帯番号やパソコンなど分厚い取扱説明書が付属してくる。全部読んでから操作という人も滅多にいないと思う。ただ、時々目を通すとこんな機能もあったんだ、こんな事も出来るんだと新発見する事もある。法によって手渡される取扱説明書を読むというのは、ある意味、消費者に課せられた義務でもある。別に熟読する必要はないのだが、一通り目を通すことだけはやっておきたいものである。何か起こったらすぐに小売店やメーカーにというのではなく、賢い消費者になるためには、先ずは取扱説明書を見てというのを習慣付けるようにしておきたい。



第260回へ続く...

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