カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第248回

清ちゃんのつぶやき(その197)奥さん



 梅雨の時期頃から、中年男性の来店が目立つようになってきた。ほとんどが一人である。多くとも友人や会社の同僚と2人か3人。今月に入り、ボーナスが出た事もあってか購入に踏み切る方々も増えてきた。下見は最低でも2回。一回で決まる事は少ない。決まる場合はすでにインターネットや雑誌で下調べ済みである。今までずっと乗っていて、すでに何台も自転車を所有しているといった層とは違うお客さん達である。面白いのが、下見は一人だが、購入時には奥さんを連れて来られる方が意外と多いという事である。



 このような家庭はうまくいっていると思って間違いない。お父さんがどんな自転車を買ったのか家族全員が知っている。いくらぐらいで、どんな色の、どんな形の自転車を買ったのか知っているから、家に置いていても誰かが気をつけていてくれる。こんな話を書くのはこれまでに数件、内緒で買われてトラブルが起こった事があるからである。幸い、玉名店ではないし、もう5年以上も前の事である。



 一件目は、どんな事情があったのか分からないが、買った自転車を自宅敷地内にある小屋に隠して、奥さん(共働きで休日が違うらしい)がいない時に乗っていた方、ある日、その自転車を奥さんが見つけて、旦那さんに問いただしたあげく返品できないか?との電話を受けた事がある。半月くらいだがすでに乗っておられる。返品はできない旨を伝えると電話の先から奥さんの深いため息が聞こえた。



 また、浄行寺店にいた頃、ある男性が自転車を購入。16万円ぐらいだったが、配達になった。その男性、「配達時に女房が必ず値段を聞く。その時は8万円と言っておいてくれ。」と頼まれた。果たして、配達の日、持っていくと「いくらくらいしたんですか?」と尋ねられた。言われた通りに返事したのだが、帰り、支払いはクレジットカードでされた、明細が後日届いた時にトラブルが起こらなければいいなと思った。その後、数か月経っても何の連絡もなかったので安心したが、売る側も気を使う。



 その点、奥さんを連れての来店、子供を含む一家での来店にほっとする。特に高額になればなるほど安心できる。奥さんを含め、一般の人達には自転車が10万円するの?とか1万円もするボトルケージがあるとか、部品・用品の価格が信じられないといった方が多い。まあ、それを逆手に次々と部品を買い揃えていく人もおられるのだが、サイクリングライフを長く楽しもうとするからには奥さんの理解や協力というものは不可欠だと思う。特に小さな子供をかかえている家庭では家族サービスも必要になってくる。家族全員で自転車に乗ってどこかへ行くというのも見ていて微笑ましい。



 中年男性で言えば、奥さんを自転車で引き込む方もおられる。夫婦でサイクリング、中には奥さんの方が速いと云った場合もある。夫婦円満、家庭円満にも繋がる自転車、これからもっと暑くなる季節、夏休みも間近、午前中にでもどこかへ出かけてみませんか?汗をかいた後に浴びるシャワーの爽快感を家族で味わってみるのもいいかもしれません。



第249回へ続く...

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