カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第24回

清ちゃんのつぶやき(その16)春需



 「春需」という言葉をご存知だろうか?自転車業界用語である。一般のサイクリストにはなじみのない言葉だと思う。春の特別需要という意味である。春は入学・就職シーズンである。中学生、高校生になると通学用に自転車を購入する。大学生になっても、社会人になっても新しい生活に自転車が必要になってくる。都会では電車、バス等の交通網が発達していて、特に自転車を必要としない人も多いが、地方だと自転車で通学せざるを得ない人達も多い。片道10キロ以上の道を毎日通学しなければいけない学生もいる。そんなことで春は自転車の需要が増える。サイクリストにとっても、秋と春は自転車に乗るのにはいい季節である。新しい自転車も欲しくなる。



 最近は少子化で学生の数も減ってきているが、まだまだ今の時期に販売が集中する。これまでにロードマン等の事を書いたが、製造年月がほとんど年末に集中している。かつては通学用として販売されていたのである。部品メーカーは夏から秋にかけて製造し、完成車メーカーに納める。自転車は冬の間に製造され、小売店に卸される。そして春に売られるのである。年間売上げの半分をこの時期に稼ぐ小売店もあるくらいである。



 1月中旬から、少しずつ動き始め、2月、3月と卒業式が続く、そして、春休みに入ると爆発したような感じになる。売るほうにとっては地獄の日々である。この間、まともな休みもない。夜に「今日こそは、今日中に寝よう!」が合言葉みたいになっていた時期もある。一日にものすごい数を売る。売れるだけならいい。次の日のために、そのものすごい数を店内に補充しなければならない。その方がきつかったりする。



 さて、ここでお詫びである。この時期、これまでにも、本当にいろいろなお客さんに迷惑をかけている。ゆっくりと自転車を見たいと思って来店されても、たくさんの人がいて落ち着かない。店員に話を聞こうと思っても、ばたばたしていて声をかけるにも気がひける。そんな状況が続く。我々もじっくりと話を聞きたいし、相談にものりたい。しかしながら、本当に難しい。一人当たりにかける時間がないのである。



 このHPをご覧になっている人達に、アドバイスがある。来店されるのであれば、春休みを避けた方がいい。特に土日は朝から夜まで、どの店もごったがえしている。もし、よければであるが、春休みが終わってからの来店をお勧めする。入学式さえ過ぎれば、店も少し落ち着く。ゴールデンウィークのツーリング等を計画されているのであれば、その頃でも充分間に合うし、話しもできる。



 せっかく来店されているのに満足な応対ができないことに対し、我々も本当に申し訳ないと感じている。春休み中や、春休み中でも土日、祝日を避けて頂ければ、ある程度は対応できるかもしれない。もし、この時期、来店されて、我々の応対に不満を抱かれるかもしれないが、その点、ご理解、ご協力をお願いいたす次第である。

第25回へ続く...

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