カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第25回

清ちゃんのつぶやき(その17)ライバル



 自転車に乗るには最適な季節になってきた。いろいろなイベントに参加している人も多いと思う。一人で走っている人もおられると思うが、仲間やチームメイト、ライバルと走ることで得られるものは大きい。ぜひ、いろいろなイベントに参加されることをおすすめする。



 ホビーレースにしろ、国際レースにしろ、一緒に走っているうちに妙な仲間意識が生まれる。自分の周りは、自分と同じくらいの実力である。同じレベルの人達と走ることで、さらに上をめざしていくことができる。特にライバルを持つことは重要である。初心者は初心者なりに、ベテランはベテランなりにライバルは必要である。お互いを意識することによって切磋琢磨する。それが上にたどり着くために重要な役目をする。よく、「人間2人いればレースが始まる」と言うが、闘争本能なんてそんなものである。



 そのときのレベルによってライバルは変わっていくことも多い。それは自分が強くなっていっているからである。中には変わらずにいることもある。いつも50位くらいにいた頃、一緒に走っていた人が、30位くらいに、10位くらいにあがっていっても、その集団にいるということもある。このくらいになると、相手がどのようなことを考えているのか、走りのくせ、そのときのコンディションまで分かるようになってくる。これは相手も同じである。あそこでいってやろうと思い、そこで仕掛けて逃げるとしっかり後についてきている。後ろを振り向かなくとも、誰であるかが分かる。少し話がそれるが、ゴール勝負で端から見ていると誰が勝ったか分からない時がある。しかし、本人達は分かっていることが多い。レースをやったことのない人には理解しにくいと思うが、気配というか雰囲気というか、タイヤ一本の差であろうとも体で感じることができるのである。



 レースでなくとも、サイクリングでも、一緒に走っていれば走り方を覚えていくし、それで楽に、遠くに走る方法を体で覚えていく。不思議なものである。黙っていても相手の気持ちもわかっていく。一人でツーリングしていても、すれ違ったサイクリストには手をあげるような仲間意識もでてくる。休憩しているサイクリストに気軽に声をかけることもできるし、相手も気軽に返事をしてくれる。



 自転車に乗ることでいろいろな人にめぐりあえる。他人の気持ちも理解できるようになれる。そんなすばらしい趣味を我々は持っている。



 外を見て下さい。いい天気です。自転車を引っ張り出して、さあ、出かけましょう!

第26回へ続く...

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