カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第232回

清ちゃんのつぶやき(その185)災害時



 関東には以前住んでいた事もあり、友人・知人が多い。九州にいると全く感じないが、今でも毎日のように余震が続いていると言う。計画停電もころころ変わって生活が狂うといった内容のメールももらう。毎晩メールをチェックするが、多い時には10件程入っている。先週などは電池を買いに九州まで行きたい等のメールもあった。また、メールが届けばいいが、まだ返信がなくどういった状況なのか分からない者もいる。



 この災害時、活躍しているのが自転車である。関東の自転車屋さんから自転車が消えたといった話も聞いた。某ショップなどは地震の翌日、オープンセールをした途端、店内在庫があっという間に売れてしまったということである。もちろん、ロードレーサーや競技用マウンテンバイクといったものではない。一般の街乗り自転車である。地震初日、東京では帰宅難民がたくさんでた。その苦労を味わった人達が月曜からは自転車で出勤といった方法をとった。持っていた自転車の点検で忙しかった小売店も多かった。



 それにしても、もし、自分がその立場だったらどうするか考えてみた。今、災害が起こったら公共交通機関は使用できない。移動の手段は4輪か2輪、または徒歩である。ただ、道路の陥没等を考えるとちょっと考える。オフロードバイクだといいだろうが、ガソリンの供給があればの話である。そんな事を加味していくとやはり最後には自転車になってくる。ガソリンも要らない、場合によっては担げばいい。ただ、様々なゴミ、ガラスや金属の破片が散乱している路面を考慮するとマウンテンバイクや丈夫なタイヤを履いた通学用自転車が有利かもしれない。



 ある程度走り慣れている人なら路面状態を見ながら走る訓練はできているはずである。あとは万一の場合に備えてパンク修理道具を持っておくこと、場合によっては他の自転車からタイヤを頂戴して交換する技術も必要になってくる。一般車には縁のないサイクリストもママチャリのタイヤ交換くらいはできるようになっておく事も必要になってくる。災害地で活躍している自転車だが、まだ足りないらしい。数日前には鹿児島県から整備された放置自転車を船で三陸に送ったとのニュースも流れた。我々も、もしもの場合に備えてすぐに乗れる状態にした自転車を一台は手元に用意しておきたいものである。



 今回の地震、いろんなものを我々に教えてくれた。ある意味、防災意識に対しての再認識をさせられた。それにしても、地震や津波といったものは天災であるが、原発は人災である。もし、原発事故がなかったなら、それに費やした人員や機材でライフラインを復旧させたり、行方不明者の捜索や救助活動に専念できただろうにと思う。



 福島、宮城、岩手と自転車競技については理解のある県である。これまでも何度も行っていたが、岩手には町立のバンクさえある。ロードレースが一般公道でできる県である。あの頃、沿道で声援してた人達、お年寄りから子供まで笑顔で声援してくれていた。そんな笑顔が一日でも早く戻ってくる事を九州の片隅から祈るばかりである。



第233回へ続く...

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