カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第228回

清ちゃんのつぶやき(その181)評価



 もう少しすると本格的な春需シーズンに入っていく。シーズン前の最後の連休、行きつけの霧島の温泉宿に行ってきた。新燃岳のすぐ傍らで霧島温泉街から少し離れた山間部にぽつんとある。あいにくの雨で東部の都城市や高原町では避難勧告が出ていた。ただ、火口に一番近い宿(その名も新燃荘という)は営業自粛しているが、南西部の方はほとんど被害がないという事で、その他のところは営業していた。



 噴煙や噴石もほとんど影響がないが、空振はあるとの事だった。その為、窓という窓のガラスには透明のガムテープがX字型や井字型に貼ってある。何度目かの噴火の際には旅館のガラスもいくつか割れたそうである。民家によっては畳が浮いたという話も聞いた。



 実は1週間前に営業しているのかどうか心配になって電話してみた。その前にネットで新燃岳の映像や道路状況、近隣の宿泊施設の営業状況を調べてみた。その際、いつも利用している今回の宿も見てみた。ある旅行会社の欄に宿泊客のいろんなコメントが載っていた。読んでみると面白い。施設や料理、接客等についていろんな事が書いてあった。



 この宿、本来、山の中の湯治宿である。そのため○○旅館とか、△△ホテルという名ではない。湯治宿というのは、先ず湯ありきである。その湯に自炊しながら何日間も泊まりながら浸かり、病や心を癒すというものである。それが基本にあるため、自炊棟もあるし、食事付きと言っても食事は割と質素で素朴なものである。



 そんな事も知らず、リゾートホテルと勘違いしている人や小さな子供連れで宿泊した人達のコメントも載っていた。浴槽にシャンプーや石鹸がない(部屋には置いてある)とか食事がどうだと云った事柄である。勿論、本当の湯治場にはアメニティグッズ等はない。良質の湯だけあればいい。そんな湯には殺菌作用もあるし、体を拭く程度で充分なのである。完全に風呂場と勘違いしている。料理だって1泊2食で1万円以下という価格では文句を言う筋合いのものではない。



 湯が良いといった評判で宿を決めた人達だが、湯そのものについては苦情みたいなものはなかった。サービスがどうだ、こうだといったコメントもあったが、本来、湯治客相手の所からして行き届かないのも無理からぬ事である。湯治客は自炊し、自分で勝手に布団を敷く。誰にも邪魔されずに連泊する生活なので放っておかれた方が気兼ねせずに済むのである。部屋食で豪勢なものを食って、布団まで敷いてもらって等と考えるならそれなりの料金のホテルや旅館に行けばいい。



 これは自転車や部品等の評価にも言える。本来の目的とは違ったものなのに、乗ってどうだとか使ってどうだというコメントが雑誌やブログに書いてあったりする。例えば初心者向けに設計されたロードなのに、クイックなハンドリング操作ができないとか、上りで踏み込んだ時のレスポンスが悪いとかが載っていたりする。これなどは本当に勘違いしているとしか言いようがない。また、とるに足りないような事まで書いてあったりする。



 これまで何度か書いたが、インプレッションなどはあくまでも書いた人、個人の感想であってそれが全てではない。一番怖いのがそれを鵜呑みにしてしまう事である。いろんな意見や考えがある。全て無視しろとは言わないが、全て信じてしまわない事も大切である。買うのも使うのも自分自身である。失敗したと思ったら、それは授業料という事で、自分の欲しいものを手に入れることが先発かもしれない。このところネットや雑誌、更には漫画の影響で間違った事を信じ込んでいる人も見受けられる。参考にしても良いが信じ込まない事が大切である。情報を取捨選択するのは自分自身である。



第229回へ続く...

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