カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第206回

清ちゃんのつぶやき(その161)スポルティーフ



 朝夕はすっかり秋の気配になってきた。このところ暑かったので、毎週休みの度に走行18万キロを超えたクルマにランドナーを積んで阿蘇や小国に行っていた。阿蘇であれば内牧や久木野にクルマを停め、そこから50、60km程走っていた。湿度が下界とは違い低いので木陰で休むとひやりとする。走り終えたら地元の温泉に入って汗を流す。幸せな気分になる。高原の方ではススキの穂が出てきている。前回の口絵写真はその時のものである。さて今回はスポルティーフのお話。



 その前に、ブログに関していろんなお便りを頂くが、その中に大阪に住むTさんという方がおられる。機械関係の仕事をされていて、しばらく前に自転車入門といった方である。技術屋さんらしく、自転車を見る眼が面白い。ギヤ比から回転数、タイヤの選択から空気圧までいろんな質問や意見をもらう。単に頭の中だけの理屈ではなく、それを体で感じるという試みをされる方である。先日はクランク長さの体験ということでクランクを購入されたようである。誰しもそうだが、乗り慣れてくると、出入りのショップの影響も受ける。ショップはランドナーやスポルティーフも得意とする所でオーダーも受け付けているとの事。そこでそれらの車種にも興味を持たれた。



 次の一台はオーダーにしようか?その前に今の自転車を乗りこんでから等と考えておられる。ランドナーもいいかな?スポルティーフもいいかな?いややっぱりロードかな等とメールを頂いた。その返信にスポルティーフはやめておいた方がいい、まだ早過ぎるといった内容のメールを送った。返事には「スポルティーフに思い入れがありますね」と云った事が書いてあった。実はそうなんです、Tさん、個人的にかなりの思い入れがあります。この場をかりて少しそこら辺のことを書かせていただきます。



 今、ロードやらランドナー、ツーリズム、小径車等、10数台の自転車を所有している(20台には至っていないと思う)。その中で唯一、スポルティーフだけがない。何かの折に書いた昔のホルクスのロードにユニバーサルのセンタープルを直付けにしてブルーメルのマッドガードを装着したものはある。ただ、これをスポルティーフとは思っていない。個人的にはスポルティーフは趣味の頂点という意識を持っている。年老いて、もし、自転車を一台しか所有できない時にはスポルティーフだろと思う。自分の趣味の集大成としてオーダーは最後の最後にとっておくつもりでいる。



 これには訳がある。若かった頃はスポルティーフって中途半端な車種だなと感じていた。がんがん走るのなら当然ロードレーサーだし、ツーリングならランドナー(狭い意味の650Bや650Aのタイヤを履いたもの)かキャンピング車だろうと考えていたし、実際その方向に進んでいた。ところが、サイクリング途中や何かの大会でいろんな人と知り合う。中年や老年のサイクリスト、その人達が一応にスポルティーフやクラブモデルに乗っていた。いずれも紳士的で社交的、若い我々にでも対等に話してくれる。尊敬できるサイクリスト達である。そんな人達が乗っていた自転車、それがスポルティーフだった。そんな思い入れがある。自分もだんだんそのような年齢に近づいている。そろそろスポルティーフの準備を始めてもいいかなという気になっている。その前にキャンピング車を一台、そんな事を考えている。



第207回へ続く...

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