カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第185回

清ちゃんのつぶやき(その144)泥除け



 すでにゴールデンウイークに突入してしまったが、数日前まで、それに間に合わせるべく数台の自転車を組み立てたり、オプションパーツを組み付けたりしていた。今回のゴールデンウイーク、上手く有給休暇を使えば11日連休取ることのできる人もいる。カレンダー通りの人でも4日はある。天候にさえ恵まれれば自転車に乗るには絶好のいい連休になると思う。今頃、ツーリングの最中の人も多いと思う。雨さえ降らなければ快適な季節でもある。



 さて、今回は泥除けの話である。連休前の仕事でもビアンキのクロスバイクに泥除けを取り付けるといった事があった。我々は何気なく”泥除け”と呼んでいるが、スマートな言い方をすればマットガードとかフェンダーと言った呼び方もある。マウンテンバイクで本格的にダートを走るのならともかく、舗装路が多い現在、昔みたいに本当に泥の塊が自転車に付着する事も少なくなった。今なら、”水しぶき除け”と呼んでもいいかもしれない。



 177回のランドナー再生記でも少し触れているが、きちんと取り付けるには結構難しい。タイヤと泥除けの幅のバランス、同じくクリアランスの問題、長さもそうであるが、選んで取り付ける際は組み付ける人のセンスが問われる。最初から付いているのであれば考える必要はないが、後からつける場合は装着しているタイヤの幅に対してどのくらいの幅がバランスがいいのか、どのくらいの隙間が見栄えがいいか、長さはどうかといった事が問われる。また、泥除けの断面形状もその車種に合っているのかが重要になってくる。



 ただ単に水はね防止というのであれば何でも構わないが、特にツーリング車であれば路面状況、例えば未舗装道路での粘土質の土や粘り気のある雪等によってはタイヤと泥除けの間にそれが詰まってしまう場合がある。そうすると車輪が回らなくなってしまう。見た目にはタイヤと泥除けの隙間は狭い方がスマートだし、水だけだとその方が跳ねが少ない。ただ、先の点を考えるとそれなりの隙間は必要になってくる。そんな点も考慮しなければならない。



 単に泥除け一つであるが、ステーの形状や止め方、何種類もある。狙った隙間を出したり、ステーの角度を得るために、自転車に当てては離れて確認して修正していくといった作業が何度も必要になってくる。フロントフォークやリヤブリッジの取り付け部にも気を使う。ステーもだるまネジの場合は少しずつ切っていく。切り過ぎると取り返しのつかない事になるので、最初は印を付けて5ミリ、次に2,3ミリ、最後はやすりで1ミリ単位で削っていったりするような根気のいる作業である。最近はあまりそういった作業もできないし、やらなくていいケースも増えてきた。



 今は泥除けの選択肢も少なくなってきた。ただ、まだホンジョが日本に残っているのがせめてもの救いである。完成車に付いてくるのも樹脂製のものが増えてきた。樹脂製もそれなりにいい点かがある。ただ、どうしても衝撃によっては割れる場合もあるし、経年変化による劣化というのもある。価格は少し高めだが、金属製のものがその点ではいい。それにしても昔に比べると泥除けの付いていない自転車が増えたなぁという気がするし、市民権を得てきた。昔だったら、泥除けが付いていないだけで、競輪選手か?と声をかけられていたものである。



第186回へ続く...

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