カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第168回

清ちゃんのつぶやき(その127)トークリップ・ストラップ



 先日、毎回ブログを見ている方から「清ちゃん」って”きよしちゃん”て読むのか、”きよちゃん”なのかと尋ねられた。正解は後者である。この呼び名で昔よく呼ばれていた。完成車メーカーやパーツメーカーに行った際もよく声がかかった。設計の人達と話をしていると、通りかかった品質管理の人から「清ちゃん、ここの話が終わったらウチに寄って!」等と言われていた。愛称で呼ばれるというのはそれなりに好意をもって接していてくれていたものだと思うし、実際可愛がってもらえていた。今になってありがたいことだったと感じる。



 ということで、今回はトークリップとストラップの話をしてみたい。数日前、納車のため街乗りピストを整備していた。ところが、ストラップの通し方が逆である。若い社員が組んだものだが、考えてみれば無理からぬ事である。使った事がないのである。ルックがビンディングペダルを出した頃、「昔はクリップ、ストラップを使っていたんですねぇ」と話す若い連中が出てくるよね等と周りと語っていた。それがすでに現実となっている。



 何でも使ってみないと分からない。普通に通しただけではストラップが左右にずれてくる。ずれるとどうなるか?バックル(金具部分)が足の甲に当たり痛くなる。長距離を走るとそれが如実に現れる。そのために通し方にいくつかの方法がある。途中をねじって通す方法やペダル本体に巻きつけて通す方法、それに後プレートの2つ穴を通す方法、人によってはストラップやペダル本体に小さなボルト・ナットを付けてずれを防いでいた人もいた。



 今はナイロン製のものが多いが、やはり皮製のものが個人的には好きである。特にビンダのものが好みだった。当時、上りが得意だったので靴が外れては絶対に困る、そんな時に緩まないストラップがビンダだった。競輪ではダブルストラップといって、ストラップ2本で靴を縛りあげる。これも同じことである。ビンダは後期に樹脂バンドに皮を両側からサンドイッチしたものが出たが厚みがあり、しなやかさが損なわれてあまり好きではなかった事を思い出す。



 トークリップに関しても様々なものを試してみたが、これもイタリアのALEに後期には落ち着いた。いくつかのものは間違って踏みつけると潰れてしまい、次に靴を入れようとする時に入れづらい事があった。その点、ALEのものはストラップを通す部分が跳ね返り、弾力性があってそれが防げた。そうそう、トークリップの取り付け穴が横に長穴になっているのは、人によって足の大きさが違う。それを補正するために左右調整をするためのものである。それにしても以前は常識だった事をこうやって書いている。時代の変化ですね。それではよいお年を!

第169回へ続く...

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清ちゃんへのお便りをお待ちいたしております。