カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第162回

清ちゃんのコレクション(その37)ステッカー(デカール)



 いろんなステッカー(デカール)がある。自転車に関するものだけでなく、クルマやオートバイ関係も多い。皆さんも必ず、数十枚かは何かしらのステッカーを持っていると思う。デュラエースは買えなくてもステッカーなら買える。買ったものもあれば貰ったものもある。もうすぐサイクルモードというショーがあるが、昔はサイクルショー等でカタログとステッカーを収集してくるのも好きだった。最近はこのような機会が少なくなって、なかなかステッカーコレクションが増えていかない。



 レースに行く途中、自転車に関係したステッカーを貼っているクルマを見かける。この人達もレース参加者なんだなと分かる。合流車線では譲ってあげたり、知り合いだとバトルしたりと、妙なコミュニケーションが生まれる。



 走っているクルマに貼ってあるステッカーでどんな趣味かが分かる。釣り好きの人達、サーフィン好き、クルマ好きいろいろある。クルマやオートバイではステッカーチューニングというのも流行った。ヨシムラのマフラーを使ってもいないのにステッカーだけはヨシムラのステッカーをしっかり貼っていたりする。そうそう、SHIMANOのステッカーを貼ってあるからといって、自転車関係とは限らない。他のステッカーを見てから判断しないと釣り関係だったりする。



 自転車関係でも貼ってあるステッカーをよくよく見るとMTB派とかロード派が判断できる。また、ヨーロピアン派とかアメリカン派とかも推測できる。貼ってあるもので本人の好みが分かるし、貼り方でも性格が分かる。無造作に貼ってあったり、定規を当てて貼ってあるのかと思えるもの、様々である。クルマなら面積が広いのでなんとかなるが、自転車に貼ろうとすると貼る数や大きさも制限される。小さなステッカー一つ貼るのに何十分も考える時もある。



 そう言えば、デカールとかステッカーとか呼んでいるが、シールと呼んでいる時代もあった。シールは”封印”という意味なので、封をする時に使うものである。その用途以外はステッカーとかデカールと呼んでいる。ドイツ語ではパッチと呼んでいた。覚えているのはドイツの子供たちが口々に言っていたからである。



 隔年おきに開催されていたドイツのケルンショー、休日には一般の人達が大勢やってくる。当然、小中学生もやってくる。ブースのケースの上には自由に持っていってもらえるようにステッカーを置いている。日本やアメリカの子供達だと一人で何枚(時には何十枚も)持ち去るのがいるが、ドイツでは一人一枚ずつ持っていく。数枚欲しい子はわざわざ聞きにくる。すごいのは我々スタッフがいない時、誰も見ていない時にもそうである。しつけというか、性格というか感心した記憶がある。



 ドイツのSACHSやPUCHと仕事をしたことがあるが、その時に彼らが描いた図面を見た時、あの子供達が大きくなったらこんな図面を描くのだろうなと感じた。あのイタリアでカンパニョロがあんな製品を作るなんて、ひょっとしてカンパニョロにはドイツの血が混じっているのかもしれないなんて想像した。

第163回へ続く...

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