カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第156回

清ちゃんのつぶやき(その117)展示会



 数日前、東京に行った。例年ならば日帰りで行くのだが、今回は1泊という事で、時間的に余裕があった。目的はというと2010年モデルの展示会が都内各所で開催されているからである。以前はサイクルショーというのがあって、一日行けば、そこでいろんなメーカーの製品を見ることができていた。ところが費用の問題等があり、今では各メーカーごとに、それも、ばらばらな日に展示会を開くようになってしまった。



 見る側にとってみれば、これほど迷惑な話はない。いろんなショップ、休み毎に出かけなければならない。大体、ショップの休みである水曜か木曜頃に開かれる。水曜はA社とB社、木曜はC社とD社、来週の水曜はE社、木曜はF社とG社といった具合である。それも開催場所が全く別方向というのも珍しくない。東京や大阪、またはその近郊に住んでいればいいが、地方に住んでいる人にとっては大変なことである。頻繁に東京や大阪に行けるはずもない。今回は9社に顔を出すことができたが、場合によっては10分程しか滞在できなかったところもある。



 そんな現状だが、メーカーによっては展示会が終わってから、カタログだけ送ってくれたりするところもあるし、直接の付き合いがないメーカーの情報も知り合いのショップから教えてもらったりすることもある。ただ、やはり実車を見なければ何とも言えない製品もある。そんなこんなで来期の製品の全体像がだんだん判明してきた。はっきり言って、特出したものは少ない。今年モデルのマイナーチェンジ、グラフィック変更程度のものも多い。期待した価格だが、昨年と違い、円高になっているにも関わらず価格は下がっていない。昨年は北京五輪の影響で、材料不足や高騰が相次ぎ値上げに走るメーカーが、ほとんどだったが、元に戻すことや値下げしたメーカーは一部である。その分、パーツがグレードアップしたり、オプションが付いているものもある。



 2010年モデルで、様々な情報や今回の展示会も含めて、割と嬉しいのはクロモリフレームの自転車が増えてきていることである。アルミやカーボンにはないシルエットを得ることができるし、耐久力もある。ただ、同じクロモリフレームといってもパイプ径はメーカーによって異なる。昔風のラグを使った細めのパイプからTIG溶接の太め(といってもアルミよりは細い)のパイプを使ったものまで、それも街乗り用からツーリングやちょっとしたレースにも使えそうな車種まで様々なものが出てきている。



 ただ、残念だなと思うのがパーツのデザインである。ツーリング系の車種にシマノのティアグラが付いていたりする。別にティアグラが悪いのではないが、クランク一つ、あのクランクデザインに細身のパイプだと違和感を感じてしまう。こんなことを感じているのは私だけではないはずである。ホリゾンタルのトップチューブの自転車に流線型のディレーラー等、性能は別として、考えてしまう。それに合うようなデザインのクランクも他メーカーであったりするものの、チェンリングの精度や品質等で?が付くようなものもある。



 ほぼ見えてきた2010モデルだが、一部はすでに入荷してきている。今期は入荷も昨年程の遅れもなく、順調にいきそうな気配である。年内にはほぼ出そろうのではないかと思っている。情報は毎日の新着情報をまめにチェックしてみてほしい。同じ自転車でもグラフィックデザインが変わっただけで、別物?と勘違いするものもある。昨年の悪いところを完全に直しているものもある。自転車だって、毎年、進化し続けている。

第157回へ続く...

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