カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第115回

清ちゃんのつぶやき(その88)手入れ



 比較的、温かな日があったり、寒い日があったりと繰り返しながら、それでも寒い方向に向かっている。だんだんと自転車に乗る回数が少なくなってくる。考えてみれば、昔は冬でもよく乗っていたと思う。晴れていればロードレーサー、ちょっと悪路だとキャンピング車、雪が積もるとシクロクロスを引っ張りだして走っていた。いつの頃からか、冬には冬眠することにした。絵を描いたり、部品のオーバーホールをしていた。炬燵の周りは画材や工具でいっぱいになっていた。



 冬の間に数台の自転車をオーバーホールするのだが、これが結構楽しい。よく乗るロードレーサーは一か月に1,2回程やっていたのだが、ツーリング車等は冬だけにしていた。使った後、部品の各部分がどうなっているのか興味を持ちながらやっていた。ボールの傷み具合、玉押しの虫食い、軸の曲がり等、分解してみて初めて判る事だって多い。ディレーラーの細かいところ等は爪楊枝を使って磨いていた。



 さて、普段の手入れだが、皆さんどうしておられるのだろうか?拭くだけ、何もしない、ある程度までばらばらにする人、いろいろだとは思う。以前に書いたかもしれないが、拭くだけでも違う。掃除は手入れの基本でもある。拭いていると故障個所が先ず発見できる。部品のクラックなども見つけたりする。汚れをそのままにしていると腐食につながりかねない。先ずは自転車の掃除である。



 オートバイも結構、乗り継いできた。よく「きれいにしているね」と言われる。多少の雨でも大丈夫である。もちろん、走っている時は濡れるが、止まったとたん、雨が水滴になってぼたぼたと落ちる。何事もなかったようにしている。自転車も同じである。夏の夕立にあっても、帰り着いた時には汚れがほとんどない。ただ、自転車を逆さにすることだけは忘れない。シートピラーを伝ってシートチューブに入った水分を外に出すためである。



 新車を購入して最初にやることはワックスをかけることである。強く、厚くかける必要はない。ただ、何度も続けることがミソである。クルマもオートバイも同じであるが、最初の3か月が勝負である。休みの度にワックスがけをする。汚れていなくてもやる、水洗いをし、柔らかい布(クルマ用品で各種売っている)で水分を拭き取る。その後、別の布でワックス(自転車の場合、液体の方がやりやすいかもしれない)をかけて、更に別の布で磨いていく。毎週、このことを繰り返していくだけで愛車を永くきれいに保つことが可能になる。



 3か月を過ぎたら、月に1,2回でも美しさは保てる。要は自転車にどのくらいの愛情を持っているかである。もちろん、油やグリスも適度に注してやらねばならない。自転車が金属の組み合わせでできているのだから、必要な部分には必要な量の油脂は要る。このところ、修理持ち込みの自転車を見ていると、何十万円の自転車でも手入れをしていない、そんな事例が少なくない。自転車を扱う側としては気になってしょうがない。

第116回へ続く...

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