カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第116回

清ちゃんのつぶやき(その89)年の瀬



 今年も残りわずかになってきた。本当に一年があっという間に過ぎ去っていく感じである。現役でレースをやっている人達にとっては長い一年と感じただろう。レースをやっていると、ピークをどこにもっていくかが、重要なポイントになっていく。当然のことだが、選手によって体調の波がある。選手を何人も抱えているチームの監督やコーチにとっては頭の痛いところである。



 春先のレースに照準を合わせると、秋口には力を発揮できなくなる選手、ピークが何度もある選手、さまざまである。強い選手がいつも優勝するかというと、そうでもない。これは他のスポーツを見ても明らかである。オリンピックがあれば、選考レースである全日本選手権に、全日本選手権に出るためには地区予選に、というように何度もレースがある。それら全部に照準を合わせていかなければならない。



 レースをやっていない人でも、日によって調子の良い時と悪い時があると感じると思う。出かける時は調子が悪くても、走り始めたら調子が良くなったとか、その逆もある。体のバイオリズムもあるが、メンタル部分も重要である。人間、不思議なもので、思い込んだら、そう思ってしまう部分がある。



 今ではギヤの組み合わせが決まっていて、変更することもできないが、昔は自由にできた。ある日、走る前、友人の自転車のフロントを52×42から52×50にしたことがある。坂道で後ろから見ていると、普段通りに走り、普段通りに変速している。走り終えて、その事を告げると「言われるまで気がつかなかった。少し重たいと感じたが、体調が悪いものだと思っていた。」そんな程度のものである。



 昔の部品で思い出したが、第79回「クレーン」に関して、このところ、それについての情報がいろいろ寄せられている。実際に使っておられた方や持っておられる方からである。わざわざ、それを見せに来られた方もおられる。ありがたいことだと感じている。それらを見て、分かったことはクレーンがジュラエースに昇格するまでに、最低2回、マイナーチェンジがあったことである。アウター受け部分だけではなく、鍛造のパンタグラフ部までもが変更されている。今でも謎なのが、なぜ、クレーンの名のまま出したのか、クレーンのフロントディレーラーは存在したのか?ということである。



 このように、この一年、いろんな方から情報やご指摘、ファンメールを頂いた。このシリーズが続いているのも、そのような方々のおかげだと思っているし、反響の大きさや反応の速さに驚いている。一般の方から、相当のマニア、業界関係者まで、結構、広範囲にわたって読んでおられるのも分かった。時々、ネタに苦労することもあるが、いろんなご意見、ご要望をヒントに、それを反映していくつもりである。お気軽にメールをして頂きたい。それではよいお年を!

第117回へ続く...

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清ちゃんへのお便りをお待ちいたしております。