カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第103回

清ちゃんのつぶやき(その82)新製品



 彼岸も過ぎたというのに蝉が鳴き、その側で彼岸花が咲いているといった妙な気候である。この季節、ちょっと郊外を走る時には気をつけなければならない。路面には栗や銀杏、柿が落ちている事が多い。栗はその棘がタイヤに刺さる。銀杏もつぶれていると滑りやすい。柿は言わずもがなである。



 走っている人はともかくとして、これから自転車を購入して走ろうかと思っている人にとっては最悪の季節である。自転車(スポーツ車)が一番ない時期が今である。以前にも書いたが、08モデルは完売、09モデルは未入荷といった状況である。数店を回って来店のお客さんからも「どこに行っても、そう言われる」という話をよく聞く。



 ここで、そのような、初めてスポーツ車を購入したいという方々に説明しておきたい。海外ブランドであれば09モデルが9月から10月に発表される。ただ、全ラインナップが一度に生産されるわけではない。メーカーによって違うが、MTBを最初に作り始めるところ、小径車から始めるところ、ロードから始めるところと様々である。10月から少しずつ供給して、うまくすれば年内に全てラインナップできるメーカー、来年の2月頃までかかるメーカーといろいろある。



 メーカーによってはリスクを下げるため、発表時に初回注文をとって、どの車種がどのくらい売れそうかを判断してから生産発注するところもある。その場合、供給は遅れることになる。へたをすると車種によっては半年待ちというのが出てくる。購入したいと思っている人にとっては、とんでもない事であるが、これが現状である。



 09モデルも少しずつ詳細が出てくるようになった。来週になれば、一日で12社の新製品発表会がある。早く皆さんに新しい情報を流していきたいと思っている。ただ、09モデルは少し値上がりしていると思っていて間違いない。5万円位の商品で1万円近い値がついているものもある。10万円クラスで15%位値上がりしているものも多い。



 新しいモデルでなくとも構わないというのであれば、08モデルが店に残っているなら、それを購入した方が得策である。また、以上は海外ブランドの話であるが、国産モデルであればすぐとは言わないが、入手可である。真冬になってニューモデルを入手しても、寒さの中、走る気にはならないし、走ったとしても快適ではない。走るなら秋春が気持ちがいい。



 何を基準に今の季節に発表し、冬に店頭に並べなければならないのか?冬に発表し、春に店頭に並べ、秋まで安定供給をするようなことができないものなのだろうか?南半球の人達を相手にしているのかどうかは知らない。ただ、スポーツとしての自転車だとヨーロッパ、北アメリカ、そして日本と北半球に集中している。某巨大部品メーカーの都合だけなのだろうか?何かこの頃、ふとそんな疑問が頭をよぎる。

第104回へ続く...

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