カガワの自転車
清ちゃんの
ランドナーについて




ランドナーについての相談を受けた。話しを聞くと、もうフリーホィルの歯が減ってしまっているようである。6段であれば、フリーはある。ただ、もう昔みたいな、精度のいいフリーはない。サンツアーのパーフェクト、シマノ、レジナ、アトム、マイヨール等いろいろあった。安くても精度のいいフリーホィルがあった。メーカー毎にカチカチというラチェット音が違い、どこのメーカーなのか分かるようになっていた。確かに若い店主・店員の店だと、今、ランドナーの修理も、その時代背景・互換性等を知らないためにやってくれる所も少なくなった。

そんな折、アラヤのランドナー(RAN)を組むことになった。以前、ショー等では見ていたし、興味もあった。ただ、組むのは初めてである。期待をもって箱をあけると...あちゃー!である。9分組である。バーテープも巻いてある。せめて7分組くらい、5分組でもよかった。ジャイアントあたりもそうだが、人によってはレバーのポジションが違う、ハンドルの高さが違う、そのためにバーテープも巻いておいてほしくないし、ワイヤーも張ってない方が望ましい。

ともかくも箱から取り出す。フレームから言うと、ラグやエンド、ブリッジやボトル台座補強等、なかなかいい。丹下のマークもレイノルズ531風になっている。好みの問題だが、ヘッドチューブ上部が長い。ハンドルを上げるためである。

ただ、シートの処理、クロウシート風になっているが、ちょっといただけない。普通のシート処理の方がよかった。色はレッド系だが、オレンジである。かつてN氏が所有、雑誌にも載ったルネルスの色に似ている。

ホィールは650Bではなく、今のMTBと同じ26×1.5になっていて、互換性としてはいい。

ライトもフロントハブダイナモである。かつてのようなリヤダイナモからコードを延々ととりまわすことを考えれば格段に進歩していて好ましい。ライトそのものはキャリヤ直付けである。

サドルは懐かしのブルックスB17である。ブルプロではなく、B17である。昔とちょっと感じが違うが、このサドル、昔の日本のサドルメーカーの基本になっている。長さや幅、ワイヤーベース間の寸法等、素材は違っていても、長い間、これが一つの基準だった。

泥除けが今の時勢、樹脂である。亀甲型とは言わないが、金属でもよかったのかもしれない。ただ、脱着できるよう環付きねじになっている(隠しねじである)。

今の部品と、昔の面影を融合させた自転車である。ある程度の年齢の人達が見たら、懐かしさを覚えるのではないかと思う。ただ、正直に言わせてもらうと価格の割には少し安っぽい部分もある。また、使ううえでは支障がないとは言え、溶接の狂いがある。フレーム冶具のセッティングが原因だと思う。全体的に見れば、他に同車種がないだけに面白い。企画・設計者の苦労も判る。今の部品でどこまで昔のイメージを再現できるか、かなり悩んだ跡がある。どこで妥協するか、どこで線引きさせるか、相当の苦労があったと思う。今のアルミチューブを見なれていると、細身のチューブが懐かしい。

尚、付属品にシートステーに取り付けるポンプとスペアのバーテープが付いている。このバーテープ、なかなかいい感触をしている。グローブが要らないかもしれない。

ランドナーについては、また、次の機会に書いてみたい。

「清ちゃんのオーバーホール日記」へ

清ちゃんへのお便りをお待ち致しております。