カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第319回

清ちゃんのつぶやき(その262)7段



 偶然だろうが、このところ昔の自転車を再生するといったような事が流行っているような気もする。昔の自転車と言ってもサンジェやBSアトランティスといった高価なものではない。ロードマンやカリフォルニアロードといった498(¥49800)クラスの普及版スポーツ車である。あるものはお父さんが使っていたもの、またネットオークションで安く入手したものといった具合で、玉名店では現在進行中ものを含めて3人、友人関係とか同じ職場とかいったものではなく、全く別々の人達である。ところが不思議と全員共通するのが30歳前後といった年代である。



 最初は変速ワイヤー等を購入しに来店なのだが、そこで質問やら相談を受ける、そこで昔の自転車をいじっている事が分かるのだが、そんな話をされると、規格が違うからその部品ではなく、こちらの部品でなければいけないだの、アドバイスができる。高価なものではないと云うのもあって気軽にできるとか、昔の部品の面白さ、今のものと実際に触って比較する事によって知識も増えていくと云った楽しみもあると思う。



 さて、そんな自転車だが、一番やっかいな事がある。6段だの7段の時代のものである。我々も修理で古いものから新しいものまで扱うのだが、7段と云うのがやっかいなものになる。何がやっかいなのかと云うと種類がいくつかあるからである。7段なんて今の普及車にも使われているじゃないの?といった疑問を抱く方もおれらようが、違うのである。



 先ず、今回のような古い自転車だと6段や7段のフリーホィルである。オーバーロックナット寸法が125(126)ミリ用のものである。ところがこれらの少し後の時代、所謂、MTBの台頭した頃になると、同じ7段でもフリーハブが進出してくる(それ以前からあったのだが、そんなに普及しなかった)。最初の頃のフリーハブはトップの歯を締め込むことによってスプロケットを固定していた。そのためフリーボディ外側にネジが切ってある。



 その後、ロードなどでトップ歯数が小さいもの(11Tや12T)が要求されるようになると現在のように蓋でスプロケットを固定するようになる。そのため、フリーボディ内側にネジを切ったものになる。ここでややこしい問題が出る。過渡期のものにはフリーボディの内と外、両方にネジが切ってあるものが出てくる(8段も同様)。その後には内側のみとなるのだが、MTBなどにも使われるようになって、オーバーロックナット寸法が130ミリのものが現われる。更にその後、MTBやクロスバイクで135ミリが出る、これが7段の車輪をますます複雑なものにしていく。



 プロショップなどではあまり問題にならないかもしれないが、我々のように廉価車から純スポーツ車まで、新しいものから古いものまで扱うような店だと修理が持ち込まれた時によく見極めないと大変な事になる。車輪自体が痛んでいて、完組車輪で7段用があるじゃないかと思っても、オーバーロックナット寸法が違ったもので車輪が入らないといった事も起こり得る。今の7段スプロケットが初期のフリーハブに合うとは限らないのである。古いカタログにはスプロケット外し(先にチェンが付いたヌンチャクみたいなの)が2本セットで載っているのに、今は単体売りになっているのはそんな経緯があるからである。



第320回へ続く...

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