カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第3回

清ちゃんのコレクション(その2)コレクション



 私のコレクションがかなりあると書いたが、それについていろんな質問を受ける。部品だけではなく、カタログや雑誌もかなりの量がある。自転車には関係ないが、ビートルズ関係のコレクションもある。CDやレコードだけでも100枚はゆうに超えている。一番の問題はその保管場所である。減っていくことがないからである。宝くじに当たったら、欧州にあるような自宅改装の個人博物館を阿蘇にでも建てようかとも考えている。



 外国に行って、どうやっていろいろなものを見つけ出すのか?という質問もある。私の場合、空港や駅に着いたときに地図と雑誌を買う。車の移動の場合はホテルにチェックインする前に街で買っておく。雑誌については欧州各国、日本では考えられないくらいに種類が多い。その中で自分の好みに合ったものを数種見つけ出す。レース志向のものやツーリング主体のもの、米国ではBMXやMTBの専門誌もある。さて、見つけたら広告を探す。日本の雑誌でも広告を見ていると、その店がどういった店かが、ある程度は判断できる。それからは地図に印をつけておく。あとは仕事が早めに終わった時や時間が余った時を利用してショップめぐりである。ここで注意すべきはシエスタ(俗に言う昼寝の時間)があるところがある。3時頃に行っても店は閉まっている。多くの場合、入り口に何時からかを表示してあるので、その場合には出直す。


 不思議なもので店を表から見ただけで、その店がどのくらいの店なのかが判る。好みの店だったりすると、入る時には胸がときめく。どの国に行く場合でも、最低英語くらいは身につけておきたい。多少のイタリア語やフランス語を話せるならば、どこに行っても大丈夫。サイクリストは往々にして、部品の名称や専門用語を知っている。それで充分である。後はちょっと見せてくれと言えば、ゆっくり店内を見せてもらえる。黙っているのが一番いけない。あとは欲しいものがあれば、それをカウンターへ。分からないことがあれば、質問する。それで相手はこちらがどのような部品や用品に興味があるのかが判る。あとはあなた次第である。相手はカウンターの奥や地下室から、あなたの興味のあるものや欲しそうなものを持ってきてくれるかもしれない。欧米の店はレアなものは展示せず、隠し持っていることが多い。とにかく明るく、積極的に話しかけてみることである。相手にしてみると、根暗な客と明るく話しかけてくる客とでは当然、後者の方が受け入れやすい。一見客に地下の倉庫も見るか?とか、近くの倉庫も見てみるか?と言ってくれることもある。話す内容で相手もこちらがどのくらい自転車が好きで、どのくらい知識があるのかを理解してくれる。これが趣味の世界のすごいところである。言葉の壁なんていつのまにか忘れてしまっている場合も多い。どこそこの店に行ってみたらどうかとか、どこの誰々だったら持っているかもしれないとかの情報を教えてもらえるし、場合によっては、今から行くのであれば俺が電話をしておいてやるとか言ってもらえる。


 今、いろいろ考えてみると、コレクションの中には、私の手元に来るべくして来たというようなものもある。不思議な縁で手元にあるようなものもある。コレクションが向こうから集まってくるといった感じである。ちょっと立ち寄った店から思わぬ所や人に結びついたり、発展したり、何年もかけて手元に届いていたりしたものもある。先ずは相手の懐に飛び込んでみることからスタートする。人と人が顔を合わせて会話をする、そこからコミュニュケーションが始まっていくのである。よき出会いを!

第4回へ続く...

目次

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