カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第250回

清ちゃんのつぶやき(その199)久住



 世は夏休みに入ってしまった。実は夏休み前、久住に行ってきた。理由は二つある。一つは久住に行けば夜もエアコンなしでゆっくり眠れるだろうという単純な理由である。久住には何年か前、夏休み中に行ったことがある。ところが着いて見るとRVやワンボックスのクルマだらけ、子供もたくさんいて、温泉にゆったり浸かる旅情もない。レストランも人だらけで落ち着いて食事もできない。最悪なのは就寝前で、涼しい夜風が吹いているのに窓を開けると外ではガキ共の花火や歓声、夜中11時過ぎても周囲がうるさく、窓を閉め、カーテンを閉じて寝た。久住に行くなら夏休み前か後であると思った。



 そんな訳で久住を目指し、一日目は延々と登りに徹して行く。明日の帰りは楽だぞぉと自分に言い聞かせるように走る。やまなみハイウエー(と言っても熊本県外の方に注意:高速道路ではない一般道路である:俗に別府一の宮線と言う)に一宮側から入ると最初のヘアピンカーブの所に稲荷神社がある。そこに湧水があり、ここで顔を洗い、ボトルの水も入れ替える。次の給水ポイントは瀬の本・三愛レストハウスまでない(途中ちょっと寄り道したりすればある。自動販売機も所々にある)。ここからはずっと登り、流石に阿蘇だけあって湿度は低めではあるが、日射しが暑い。特に城山展望台あたりからは草原の景色、木陰もほとんどなく、直射日光の中を走り続けなければならない。途中、灰色の雲が出てきたが、雨宿りする所もない。降ったら濡れて走るだけである。



 幸い、降りはしなかった。その間、日射しが少し和らいだ。このやまなみハイウエーはロードレーサーでもよく走っていたが、苦手な坂が一つある。ミルクロードとぶつかり、しばらく直進していくと右に田尻・小柏方面に行く道がある。その先、左に登っていく坂である。距離はたいしたことはないのだが、牧ノ戸峠に長者原から登るよりいやである。そんな山道を走りながらこう考えた。智に働けば角が立つ、情に棹させば流される・・いやいや、そうではなくて、何でこんなにきついのだろう?昔に比べれば体力がなくなってきているのは確かだが、それの解決策があるのではないだろうか?そしてハタと気がついた。ギヤ比である。



 フロントは昔の定番、48×36Tである。リヤに至ってはローギヤ26Tである。今は一般ロードレーサーでも50×34T、ちょっと待てよ?フロントだけで2T多い。ロードレーサーでもリヤは28Tが付いているものがある。今のロードレーサーより高いギヤ比で私は走っているのか?などと今頃になって気が付いた。どうりできついわけである。フロントをMTBのものにすれば解決する。幸い、変速機はMTB用なのでトリプルにする事も、リヤの歯数を大きくすることだってできる。今後の課題である。



 そうこうしている内に遠くに見えた三愛レストハウスに辿り着いた。冷たい水で顔を洗い、気を取り直して花公園方面を目指す。上りきる手前に大分県側の標識、後は緩やかな下りである。暑いのだが、腕に当たる風はひんやりとしている。宿に着き、部屋に入ると涼しい風が・・・エアコンではなく窓を少し開けてあっただけである。温泉に浸かり、食事をし、この夜はゆっくりと眠ることができた。夏はこんな所に住みたいものである。次回は久住に行ったもう一つの理由。



第251回へ続く...

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