カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第125回

清ちゃんのコレクション(その25)スプリンター・ステム



 このところ、ずっと”つぶやき”シリーズが続いていたので、久々にコレクションを書いてみたい。暖かくなって、押し入れの捜索がやりやすくなったことも一因である。コレクションのネタはまだまだ尽きない。今は”つぶやき”と”コレクション”の二本立てでやっているが、清ちゃんシリーズのやり始めの頃は三本立ても考えていた。もう一つは”街で見かけた自転車、ライダー”といったものである。結構、街中に停めてある自転車にも面白いものがある。昔のものや改造したもの、走っている人にも変な人がいる。それらを取り上げようかとも考えていた。



 このことを話していたら、勝手に人の自転車を撮って、あれこれ書かれるのは問題ではないかとか、体に合っていない高額自転車に乗っている人のフォームを云々するのはどうか?という意見も出た。多分に、私のことだから後者だと、無茶苦茶な事を書くのではなかろうかといった心配もあったと思う。実際、それをやろうかとしていた。これは未だに頭の中にあり、形を変えたもので(本人の了解を得たもので)やっていきたい等と考えている。



 さてさて、前置きが長くなったが本題に入っていきたい。少し大きめの箱が出てきて、軽い。中身はハンドルやらポンプ、ボトルといったものが入っていた。その中から今日はイタリア製のステムである。会社名はマニュブリ・シュエラーノだと思われる。マニュブリはイタリア語でハンドルの意味、シュエラーノは人名であろう。名前から察するに、SCHで始まるシュイン、シュワルツ、シュワンツ等、ドイツ系の人である。イタリア北部に多い。場所はトリノと記してある。



 このステム、購入した完成車に付いていたものである。スリムで気にいったデザインだったが、あいにく突出し長さが自分には合っていなくて、別のものに付け替えてしまった。ハンドルバーの固定が二つのコマで押して固定する方式になっている。バーを押して固定するといった方法は、この頃、チネリやシマノAXでも行われていた。使ったことのある人には分かるだろうが、緩みやすい。常に工具を携帯して走っていなければ安心して遠出ができなかった。やはり、挟む、咥える方式の方が固定を維持しやすい。



 箱の中にはなかったが、これにセットされていたハンドルも面白かった。アルミなのだが、電縫管である。パイプを作る方法には主として二つの方法がある。ところてんみたいに型に材料を押し当てて管状にする押出、あるいは引抜成型、もう一つは板状のものを丸めて合わせ目を溶接して作る方法である。一般的にスポーツ車に使われるハンドルバーは前者、後者は街乗り車等、鉄ハンドルのものに使われている。スポーツ車系で、アルミで後者が使われているのは後にも先にもこれが初めてであった。そのうちに出てくるだろうが、その時には写真を公開してみたい。

第126回へ続く...

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