カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第174回

清ちゃんのつぶやき(その133)ランドナー再生記 その1



 昨秋、ひょんなことから中古のランドナーのフレームを入手した。そう高価なものではないがあまり使われていない。半完成車の状態で、パーツもある程度ついているものの、手入れをしていないせいで、各所に鉄錆やアルミ錆が見られる。ともかく、ばらしてフレーム本体のみにしてみる。各部の寸法を測ってみると、乗れそうなスケルトンになっている。幸い、パーツのコレクションもある。以前に書いた「旅する自転車の本」の影響もあってか、久々にランドナーを作ってみることにした。本格的なランドナー(ツーリズム)はトーエイのものが押し入れに眠っているので、今回は手軽に扱えるようなものにすることにした。



 先ずは塗装を新しくすることである。好みの色でなかった事と保管状態が悪かったせいで細かい傷が各所にあり、その一部からは錆が出ていたこともある。フレームの色は数種考えた。昔のスタンダートだと赤色系(ワインレッドに近い)だが、これだとマスプロ車みたいで面白くない。他にも、スタンダードだと青色系(紺色かコバルトプルー)、それに青緑系のターコイスも落ち着いていいなあ等としばらく検討していた。もう一つは数年前のユーノス・ロードスターに使われていた黄色味の強いオレンジ色である。



 とりあえず、色の事を考えるのと同時に剥離作業に入った。ホームセンターで剥離剤を購入。ところが最近の剥離剤、地球環境にやさしいというのをウリにしているために昔のような強烈な効果がない。以前のものなら塗ってしばらくすると表面の塗膜がめくれあがってきていたものだが、今のものはそこまで強くない。間違って手についたりしたら、ぴりぴりと火傷みたいに赤く腫れあがっていたが、今のものだと平気である。はけだってガソリンやシンナーで洗わなければならなかったのに水洗いできる。そんな品物なので剥離作業はなかなか進まなかった。



 フレームもロードなどとは違ってエンドのダボやカンチブレーキの台座、隠し止めの泥除けねじ部等溶接小物が多く時間がかかった。細かい所はサンドペーパーややすりで磨くものの、なかなか下塗りの塗料がとれず、そのまま塗装を仲介してくれる知人のところに相談して、昨年12月中旬に持ち込んだ。ここにはサンドブラストの設備があり、細かいところはサンドブラストをかけて塗装屋に出してくれるとの事で助かった。



 色に関してはこの時点ではターコイスに決めていたのだが、色見本でなかなか思ったものがなく、紺やコバルトブルーもありきたりなので、オレンジ系のものに決めた。明るい色はランドナーあたりの太いタイヤにはあまり使われない。少し細めのタイヤを履いたスポルティーフあたりだと明るめの軽快な色が似合うと思うものの、たまには変わった色でもいいかといった気持ちでフレームを預けてきた。オレンジ色というのはどんな色を組み合わせても合う。フレームがオレンジ色だとバーテープに黒、白、赤、緑、黄色、どんな色だって違和感はない。(134に続く)




第175回へ続く...

目次

清ちゃんへのお便りをお待ちいたしております。